あまりなかった感情。
こころに染みわたる旋律。
40歳を超えてここまで脳に植え付けられるとは思わなんだ。
米津玄師。
以前からFMラジオで流れていたのは知っていたが、それはただのBGMとしてのみであって。
真剣に聞いたことはなく。
小さい子供がいるのでEテレはよく見ています。
そこでパプリカという曲がよく流れていたんですが「聞きやすいええ曲やなぁ」と思っていたのです。
作詞作曲が米津玄師となってたので
「ああ、あの人が作ったんか。今度ためしに聞いてみよかな」
改めて聞いてみるとその独特のメロディに心が揺さぶられた。
「あぁ、これはみんなに支持されるわ」
「俺も好きやわ。」
なによりメインメロディに留まらず、バックエンドの作り方が非常に丁寧。
なんというかごくわずかの違和感をあえて出し、そこに向けて聴く人を導く。
気持ちを自然に曲へ入れていく。
40を超える年齢にもなるとまず新曲には興味がなくなる。
どれも代わり映えしないものに聞こえてくるからだ。
「音楽なんて似たものが繰り返し出てくるだけだ。」
「もう新たなアーティストの曲を聞き始めたりはないだろうな。」
想いは覆された。
まだまだ才能のある若者は出てくることを確信したと同時に、
才能がなく、才能を欲する自分をどう扱うかについて考えた。
才能ある人はそれはそれでとてつもない苦しみはあるんだろうが
それでも才能ある人を羨ましく思う。
自分ができることに全力を尽くせるだろうか。
簡単なようで最も難しい。
久しぶりに才能に嫉妬する人があらわれた。